2014年4月13日 (日)

いとをかし

日曜日の新聞には、毎週、本の紹介の特集が組まれていて、

そこに平田俊子さんの『低反発枕草子』というエッセイの連載が始まりました。

今日はその2回目で、タイトルを↑に決めるに至った過程を説明されています。

これがすーごく面白かった。

ユーモア溢れてるんだけどベタベタしてなくて、

こういうクールな乾いた感じの文章、めっちゃ好みです(=^▽^=)

新聞に連載をもたれるってことは有名な方だと思うのですが、

残念ながら私は今まで読んだことのない作家さんで、

急激に興味をそそられ、

予備知識なく図書館で2冊借りてきてみました。


(詩人・作家)という肩書きの方なので、エッセイを1冊、詩集を1冊。

これはもう、タイトル見ただけで読むのが楽しみです~book

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2014年3月 8日 (土)

『痺れる』 沼田まほかる

まほかるさんワールド全開の短編集でした。

どんよりした雰囲気とおどろおどろしい狂気を感じる怖さ、

だのに滑稽でなんだかおかしくて、

ひんやり切なくて寂しくて哀しくて、

だけど愛おしくてなぜかほのぼのとしている。

9つの作品、どれもがハッピーエンドではないのに、

というかむしろ罪を犯したり主人公の期待通りの結末にならなかったりと

アンハッピーエンドの話ばかりなのに、

なぜかこの人の作品は読後感が全く悪くなくて、これは一体どういうこと?

相反するものを当然のように同居させて生きている普通の人間、

時に歯止めがきかなくなったり罪を犯してしまったりする人間、

それをどうしようもない愛おしいものとして

温かな哀れみの眼差しで見つめているような作風の方だなと思います。

主婦や会社経営などの経歴と一緒に「僧侶」が並んでいるのが

この方の小説を読むとなるほどと感じるところです。

独特の感覚をお持ちなので、ちょっと抵抗があるかもしれないけれど、

私の好きな作家さんのひとりです。

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2014年1月31日 (金)

『くちぬい』 坂東眞砂子

この方の訃報も新聞で知りました。

先日、図書館で借りた本をちょうど読み終えたばかりで衝撃でした。

タイトルもカバーも怖いけど、内容もめっちゃ怖かったです。

怖くておもしろくて、先が気になって、どんどん読んでしまいましたcoldsweats01

東北大震災の後に書かれた作品で、放射能汚染のこととかも出てきます。

定年退職後に、東京から田舎の山村に移り住む夫婦が主人公です。

閉鎖された村社会で、皆が親戚のように暮らす、人の良さそうな村人たち。

なんだか実際にありそうな、逃れようのない人間関係が一番怖かったshock

しかしこのなんとも恐ろしいラスト、読後感の悪さ。。((・(ェ)・;))

最終的に何も解決せず、ほんの一筋の明かりも見えないって、一体。

この本のことを書かれたおもしろい書評を見つけました。

リンクフリーとのことなのでご紹介~↓

http://www.norththai.jp/ex_html/ma/view.php?id_view=25#1

いいなあ、非常に私好みです。

書評を超えて、これはもう新たなエッセイですね。

本の感想もこんな風に書けるようになるといいなあ。

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2013年10月15日 (火)

僕らはみんな生きている

私にとっては、アンパンマンの作者というより、

詩人としてのやなせ・たかしさん。


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「愛する歌」は、たしか小学生の頃だったかな?

たぶん、私の人生で初めて買った詩集。

韻を踏んだ面白い詩や、暗く重い人生の詩、

読むたびに泣けてしまう哀しい切ない詩・・・

とても新鮮で印象的で、やなせさんの言葉の世界に魅了され、

暗記してしまうほど何度も読みました。

この年になって読み返してもやはり、

胸が締め付けられたり、ほんのり温かい気持ちになったり。

たくさんの素晴らしい作品をありがとうございました。

ご冥福をお祈り致します。

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2013年10月10日 (木)

『あの夏、少年はいた』 川口汐子・岩佐寿弥

この本を手に入れてから、ゆっくり何度も読み返しています。

テレビで偶然この番組を見て感動したのが2006年のこと。

http://soup-in-the-morning.cocolog-wbs.com/nekoyobi/2006/09/post_609d.html

http://soup-in-the-morning.cocolog-wbs.com/nekoyobi/2006/09/__7625.html

再放送を見たいと思っていたけれどそれも叶わず、

私の心の中で見た夢のような、まるで幻のように思っていたおふたり。

ネットでさがして本を手に入れることが出来て、やっぱり夢じゃなかったんだ、

実在のおふたりの奇跡のような往復書簡だったんだと。

戦時中の小学4年生の夏、ほんの3ヶ月ほどの時間を一緒に過ごした

教生の先生に初恋をした岩佐少年。

時が流れ、70歳になった彼が見たNHKの24年前の再放送番組の中に

偶然この汐子先生を見つけ、思い切って出した分厚い手紙から物語は始まります。

70歳の彼と80歳の先生、けれどまるで少年と少女のような

初々しく瑞々しい感性を持ち続けている、奇跡のような往復書簡。

お二人ともが年を重ねるごとに自分を高める生き方をされていて、

文章がまるで詩のように美しく、謙虚でありながら情熱的で、

ありふれた、いわゆる手垢のついた表現がなく、

知的でウイットに富んでいて、思いやりに溢れ可愛らしくて。

共通の思い出をたどる旅が一緒にできる人を得ることの素晴らしさ。

うらやましいほどに美しく、正直で、まっすぐなおふたり。

今回この本を読んで、実に個人的なことですが、自分との関わりの多さにも

何かこれだけ惹きつけられる不思議さの理由のようなものを感じました。

汐子先生のご実家が京都の植物園の近くだということ。

今の奈良女子大に学ばれ、教生に行かれたのはその付属小学校だったこと。

その後ご結婚され、ずっと姫路市に住まわれていたということ。

どの場所も私にとって、馴染みのあるところです。

手紙は、最後にふたりが再会するところまでで終わっています。

約束の待ち合わせ場所は、姫路駅の改札を出て階段を降りたところ。

お手紙を読みながら、当時の姫路駅のその場所が目に浮かぶようでした。

だけど、あれ?北口?階段のあったのは、南口のはずじゃ?

やっぱり汐子先生、北口と南口を間違えられていました。

それに気付いて泣きそうになりながら、

往復はがきを追っかけて出して訂正されるところがホントに素敵です。

電話じゃなくて、往復はがきだなんて・・・(*´ェ`*)

(これもそれぞれ、往復はがきの「往」「複」として収められています)

私の理想の恋愛バイブルのような本に出会えたこと、これもまた奇跡のよう。

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2013年6月22日 (土)

下人の行方は誰も知らない

毎年この時期の恒例になった磐田文学講座、今年もおはがきをいただいて

6月1日(土)・15日(土)の2日間受講してきました。

以前の先生(故人)のお話は独特の風情があって素敵でしたが、

一昨年からいらしてくださっている先生もとてもパワフルで楽しく、

休憩時間も惜しいくらいにいっぱいお話をしてくださいます。

今年のテーマは芥川龍之介の『羅生門』でした。                        

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高校の教科書にも定番で載っている、誰もがよく知っているお話ですが、

これを学校で教わるのとはまた違う切り口で読み解いてくださいました。

ストーリーは、今昔物語を題材に書かれたもので、

解雇されて仕事も行き場もなくなった下人が

これから自分はどうやって生きていくべきか考えている時、

死体から髪の毛を抜いて売って生きる老婆と出会い・・・という物語。

人間の生き方、善と悪の間での迷い、人間は善だけでは生きられないものだ、

誰の中にも自分の中にも悪があるのだ、というようなことを考えさせられます。

これは主人公である下人の心情に目をむけた読み方ですが、

今回の講座では、最後に下人に着物を奪われてしまう

この得体の知れない老婆の方にスポットを当てて考えてみました。

先生のお話の中でとても興味深かったことは、

下人が捕まえ見下したこの老婆は、

実は昔はとても裕福で理知的な女性だったのではないか、という点です。

「なるほどな、云々」とまず人の意見を一旦受け入れて、そのうえで

「じゃが、云々」と自分の反対意見を述べるという論理的な会話の持って行き方。

老婆の会話の中に出てくる「現在」、「菜料」、「餓死」などの漢語表現。

この時代にこういう言葉を使うのは位の高い男性のみで、

女性でこんな言葉を使うというのは相当教養のある人だったことを表すということ。

下人自身、最初は「飢え死に」と言っていたのが、彼女と話すうちに

最後には彼女の使う「餓死」という言葉を真似して使っていることで

下人の方がこの老婆にすっかり打ち負かされているということ。

老婆にのど仏があること、髪が短いこと、これはなぜなのか。

最後のシーンで下人が盗人になって着物を奪って逃げていく、

話としてはそれで終わってもいいはずなのに、その後、

死んだように倒れていた老婆が起き上がって黒洞々たる夜を覗く、

わざわざこのラスト4行は何のために描かれたのか。

それらは何を意味するのか。

先生のお話は、まるでそこここにちりばめられた暗号を見つけてひも解いていく

推理小説を読んでいるような醍醐味が味わえました。

当時の芥川龍之介の私生活のお話から作品に与えた影響も読み取れ、

今までとはまた違った『羅生門』の世界を知ることが出来て面白かったです。

次々と新しい本に手をつけるのも楽しいけれど、 

知っているはずの物語を何度も深く掘り下げて考えていけるのが

昔から読み継がれてきている文学作品の素晴らしさなんでしょうね。   

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2013年4月24日 (水)

仕事道具

うちの商品が掲載されてるから、この雑誌は毎月買うことにしたという長女。

「だけどこれ見てよ、今月号の特集。

 『私、〇〇したら、急にモテるようになりました・・・・・heart

 これ買うの、めっちゃ恥ずかしかったよ~((・(ェ)・;)) 」

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ふ~ん、どれどれ・・・と見てみると。

・かっこいい先輩社員に「仕事慣れた?」と聞かれちゃうheartスーツ女子

・とりあえず、“上半身かわいけりゃOKでしょheart”計画

・絶対モテるのは、「水色ちゃんheart

・・・たしかに。

ハートマーク満載の世界ですな~(;^_^A

別冊付録では、日本一の“愛されモテ女子”代表、

女優・石原さとみさんも語っておられるそうです。

ほ~~~~~。。。。。|ω・)

いいなあ、なんかこういう雑誌、何年(いや何十年)ぶりに見ただろう(爆)

私はどっちかってーとわりとJ〇派だったけど、

時には可愛い系のこっち買ったりもしてたっけ。。う~ん懐かしい(^_^ゞ

綺麗なモデルさん、可愛いお洋服、

眺めているだけでなんだかうきうきheart04

気分リフレッシュのために時々見せてもらおうかな~(*^m^)

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2013年3月13日 (水)

一息の抜き

朝刊に連載中の葉室麟さんの時代小説『紫匂う』、

始まった時は、うわーーー何これ。。。(-゛-メ) と思った。

主人公のお武家の奥様・澪さんがどうもダメで、

人それぞれとはいうものの、私には理解に苦しむ。

すごく良いご主人、可愛い盛りの子供たち、何不自由ない平穏な日々、

その幸せになぜ感謝せん!もったいないわ!と思う。

昔、澪さんと恋仲だったという笙平さんもどうかと思うわ~~~(-゛-メ)

こういう恋愛至上主義みたいなのは全くもって苦手。

そんなこんなで絶体絶命のふたりの前に颯爽と現れたのは、

それまでずっと地味な脇役っぽかった澪さんのご主人の蔵太さん。

破滅への道を突っ走るふたりを前に、一体この大人しそうなご主人が

どういう行動をとるのかと思ったら。

なんとすばらしいheart04めっちゃカッコイイじゃあ~りませんか(*´ェ`*)

蔵太さんが言った、剣法の「一息の抜き」という話がすごく良かった。

何ごとも追い詰めてはならぬ、一息だけ隙間を空けておいたほうがよい。

一息の隙間が余裕となって剣が振るえ、危うい命も助かることがある。

ひとを追い詰めず、一呼吸置いて接する蔵太さんの生き方。

それまで孤高の悲劇のヒーローっぽかった笙平さんにくらべ、

人間の大きさとか大人の余裕とか賢明さとかを感じました。

いや~~~単にふたりの世界に落ちていくような恋愛小説かと思いきや、

素敵な方の登場でこれからの展開が楽しみ楽しみ(*^-^)

ところで話はすこし違うかもだけど、私、

引き出しとかは奥まできちっと閉めきらずに

ほぼ閉まってるっていうか、閉めかけっていうか、少しだけ隙間が開いてたり、

部屋の物もピシッと整然と並んでるよりも

ちょっとゆがんだり、ずれてたりする方が自然でむしろ心地よく感じるんですが、

こういうのもいわゆる「一息の抜き」なんだろうか♪

(それはただの手抜きですから・・・by.all )

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2012年11月26日 (月)

『我が家の問題』 奥田英朗

奥田さんの小説、やっぱり好きだなあ。

これは短編が6つ入っています。

出口のない行き詰った雰囲気で始まって、最終的にどたばたに炸裂するという

この人の長編作品もすごく面白くて大好きなんだけど、

この短編集の雰囲気もとってもいいです。

いろんな家族におこる、いろんな問題。

それはすごく深刻な問題なのに当事者は意外と他人事のようだったり、

他人からしてみれば「そんなこと」って思われるようなことを

本人は実に深刻に悩んでいたり。

登場人物は皆どこにでもいる普通の人たちで、いまいち気が弱くって、

お互いに気を遣いあって暮らしている、心優しい人たち。

その優しさゆえにいろんな困ったことがおこって、どんよりしてるんだけど、

何かをきっかけに一歩踏み出して、ほろりときて、最後は心があったかくなる、

そんなお話ばかりでした。

奥田さんは、困った状況をほのぼのとしたユーモアで包みこんだ文章で

ゆるゆるの温かい雰囲気にしてしまうのがお得意だと思います。

例えば、ちょっとだけ抜粋すると。

気が利かなくて手際が悪い店員さんに、ついにぶち切れてしまった奥さん。

他の従業員や管理職まで出てきて平身低頭され、

これから叱られるであろう店員さんが急に可哀想になります。

「この男にもたぶん家族がいる。

 家のローンがあって、子供の教育費もある。

 だいたい悪気はまったくない。

 ロシアとか中国に行けばざらにいるタイプの店員に過ぎない。

 そう思ったら急に庇いたくなった。」

・・・ロシアとか中国に行けば、では思わず吹き出しましたが、

この気持ち、すごく共感してしまいました。

で、奥さんは自分が許しを請うように訴えてしまいます。

「その人のこと、叱らないでください。そんな大したことじゃないんです。

 (中略)それなのに、わたし怒ったりして、すいませんでした。

 その人、きっと悪くないと思います。だから、お願いですから・・・・・」

こういう善良な小市民の心情を描いたらピカイチの奥田さんですconfident

実際の生活の中でも、険悪な雰囲気を柔らかくしてくれる人っていますよね。

物事を、ちょっと力を抜いて、客観的に別の角度から見る余裕をもてば

毎日がもっと快適で、皆優しい気持ちで暮らせるんじゃないかなと思います。

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2012年11月15日 (木)

凛とする

『凛とした女の子におなりなさい』 阿久悠

図書館でこのタイトルに惹かれて借りた本。

「暮しの手帖」に掲載された阿久悠さんの9篇の詩と傑作選が収められています。

「日本人らしい人」というタイトルで連載された詩、どれもとても素敵です。

① 縁側のご意見番

② 母は父の専属通訳

③ 毎日が正装の先生

④ おせっかいな案内人

⑤ 少年が憧れたおとなの男

⑥ 窓辺で本を読む親

⑦ かつてあったやせがまん

⑧ 凛とした女の子におなりなさい

⑨ 少年はみな はにかみだった

特別偉大なことをしたわけでも、表彰されたり有名人でもないけれど、

こういう風にしゃんとして生きていた大人の人たち、

子供の頃の私の周りにもいらっしゃいました。

読んでいて、懐かしさとともに襟を正す思いがします。

年齢だけは重ねてきたけれど、私はちゃんと大人になれているだろうか。

「いちいち口に出して ピイピイ言うようじゃ大人じゃないし」

                      ・・・⑦かつてあったやせがまん より

本の題名にもなっている「凛とした女の子におなりなさい」は

とても共感できました。

しかもこれが女性ではなく、男性の書かれた詩であることがうれしいです。

こんな風に凛とした生き方がしたいです。

娘たちにも強い女の子になってほしいと願います。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

   「凛とした女の子におなりなさい」

女の子だからといって

ヨワヨワしていたり

メソメソしていたり

何かというと他人を頼りにして

愛しいと思われてみたり

そんな子である必要はないのですよ

助けてやりたいとか

庇ってやりたいとか

守ってやりたいとか

男にとってはいい気分だろうけど

そんなもの 美徳でも

魅力でもありゃしない

いいかい 女の子だって

強くってもいいんだよ

粗雑であったり

乱暴であったり 

不行儀が平気は困るけど

ちょっとした挨拶の誠意と

心地よい微笑の会釈と

問われた時にハイと答える

意志さえ感じさせれば

強くっていい

男は自分が弱い者だから

縋(すが)りつく子を抱きしめるが

そんなのは三日だけの愛しさ

あとは 只の重荷になる

傷つけないようにハッキリと言い

侮辱を感じさせない態度をしたら

あとは 自由に生きなさい

強く生きなさい

自由で強くてやさしい子を

凛としていると言います

凛とした女の子になりなさい

凛とした・・・

近頃いないのです

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

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