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2007年3月 1日 (木)

『幼な子われらに生まれ』 重松清

いわゆるバツイチ同士の結婚で、2番目の奥さんとその連れ子である

ふたりの娘たちと「普通の幸せ」な家庭を築こうとしてきた37歳の男性が主人公。

下の娘が幼稚園、上の娘が小5になった時、奥さんのお腹に赤ちゃんが出来て…

というところから物語が始まる。

読み始めて、どうも出てくる人物達のどれもが好きになれなかった。

新しい家族のために自分の気持ちを抑えながら、何だかもやもやした

苛立ちを抱えながらも、淡々と毎日をやり過ごす主人公。

何も相談もなく最初の子供をおろしてしまったり、

次に生まれた子を連れて、突然家を出て行ってしまった元の奥さん。

なんだかとっても男性に依存してのみ生きているって感じの今の奥さん。

子供や奥さんに暴力を振るうという最もサイテーと思える、今の奥さんの元夫。

義理のとはいえ父親にむかって、反抗的でさげすむような態度をとり、

小さくて何も知らない妹には、意地悪して苛めて、

お腹の大きくなったお母さんにまで暴力を振るうようになる長女。

なんだこれは~また家族がどんどん破滅へ向かってゆく~~。。

と落ち込みながら暗く重い気持ちで読み進んだのだが。

後半、最後の1/4辺りから涙が止まらなくなった…(T_T)

あれだけヒックヒックと泣きながら本を読んだのも久しぶりかも。

最後には、登場人物のすべての人が愛おしくて、愛おしくて。

あのどうしようもない暴力元夫さえ、「この人だって、ホントは…」って思えた。

どんな人だって、その人なりの色んな思いで、一生懸命、不器用に生きている。

上手に自分を表現出来ないけれど、本当は心優しい人たちそれぞれの

苦悩や葛藤が、とても切なく描かれている。

さすが重松さん、すっかりやられました~(T_T) 

読後感も最高、重松作品の中でもとても感動的な名作だと思いました。

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