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2006年9月17日 (日)

『あの夏~60年目の恋文』

国営放送で放映されたこの番組・・・素敵だった。

胸がきゅ~んとして、70分間、ずっとうるうるしながら見た。

60年前、教生の先生として来られた10歳年上のお姉さん先生に

憧れたひと夏の思いをずっと持ち続けていた男性が、

時を経て、偶然先生の姿を昔のテレビ番組の再放送の中に見つけ、

抑えきれない思いで手紙を出し、そこから始まる往復書簡。

もう80歳を超えていた先生の驚き、戸惑い、少女のような恥じらい。

男性は奥さんにも応援してもらって、やがて二人は再会する。

まるでよく出来た小説か何かみたいだけど。

この二人の遠慮がちな、だけどとても暖かくお互いを思いあう手紙は、

そんじょそこらの作り物の恋愛小説や映画なんか足元にも及ばない。

男性の方は、生徒と先生の関係のままの距離感を保ちながら、

とても礼儀正しく、でも少年の頃のままの熱くときめく心を持って

先生に接していらっしゃったのが印象的だった。

この先生がまた、杖をつきつつ、乙女のようなたたずまいで、

話される言葉のひとつひとつがまるで詩のように美しく。

お孫さんに「この二人を見ていると、年をとるのって素敵だなと思う」

と言わしめるおふたり。

その夏、戦争中の一番大変な時期を過ごしていたはずなのに、

ふたりにとってはみずみずしい思い出に溢れる1ヶ月半。

その思い出を胸の奥に持ちつつ、

人生を大切に一生懸命生きてこられた人達だから

年月を経ても変わらず、ときめく心のままでいられるのだろう。

生徒にもらった写真一枚、授業の時の発言のひとつも

ずっと大切にしながら生きてこられた先生。

あんな風にしっかり、しなやかに、穏やかに、優しく年を重ねたい。

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コメント

参考までに、10月23日夜9時よりNHKハイビジョンで 
「あの夏60年目の恋文」90分バージョンがあります。

投稿: ウインター | 2006年10月16日 (月) 08時47分

ウインターさん、お知らせありがとうございます~!
NHKさんだし、ああいう良質の番組はきっと
再放送してくれると信じていました。
そして、もし放送されたら、その時は録画しようと…。
ああ、でもハイビジョンなんですね…残念(T_T)
またいつか地上波か普通のBSで放送があるのを期待することにします…。

投稿: なかさな | 2006年10月16日 (月) 23時59分

はじめまして
以前に見たこの番組のことが気になって検索してこのページにたどり着きました。
本当にすてきでした。時がたち、記憶が薄れるほどに、思い出されます。
もう一度見てみたい。そんな作品です。

突然失礼しました。

投稿: シロウ | 2010年1月 1日 (金) 21時52分

noteシロウさん

こんなつたないブログを見つけていただき、
書き込みいただいてありがとうございます。

日記の日付が2006年だから、もう3年以上前の番組なんですね。
でも、いまだにこのタイトルで検索してくださる方が
時々いらっしゃるようです。
それだけ人の心に印象深く残る番組だったということですね。

とても美しく、こういう人たちが本当にいらっしゃるのかと感動しました。
もう一度見てみたいですね。

投稿: なかさな | 2010年1月 3日 (日) 21時41分

お返事有り難うございました。
すごく遅レスになってしまいました(笑)

また、あの映像とあえるたらです。

~京より~

投稿: シロウ | 2011年4月29日 (金) 21時29分

noteシロウさん

なんだか時をこえてのコメント、
番組の往復書簡にちょっと似ているかしら。。(*^m^)

2006年に書いた自分の文章、また読み返して
あの素敵なおふたりを思い出させていただきました。

ありがとうございました。

投稿: なかさな | 2011年4月29日 (金) 23時37分

なかさなさま

レスポンスいただいていたんですね。
ありがとうございます!

あれから6年半にもなりますね。
いろんなことがありましたが、振り返ると一瞬だったような・・・
時がたつのが長いのと短いのとは、時に同じだったりする気もします。


僕は、まだ、あの映像には再会できていませんが、なかさな様の文章を読み返して、お互いに言いたいことを胸にしまって生きてきた、そして本当なら一生言えないままになったのでしょう。幾多の人がそうして生き、そして亡くなっているのだと。

当時の切ない思いがよみがえってきました。

投稿: シロウ | 2013年1月 2日 (水) 21時22分

noteシロウさん

お久しぶりです。
コメントいただいてうれしいです。
ブログを書いていて良かったなと思います。
お心にとめていただいてどうもありがとうございます。

そうですね、6年半も前のことになるんですね。
時の流れに驚きです。
今、高校生の娘が、この頃は小学生だったんだなあ。

本当にもう一度、見たいですよね。
いつかまた見られるかしら。

実は、今回シロウさんにコメントいただいて、
私も同じようにネット検索してみて、
この番組の元になった本を見つけて
注文してしまいました。。(^_^ゞ
映像が無理なら文章で読んでみようと思って。
届くのがとても楽しみです。

投稿: なかさな | 2013年1月 3日 (木) 23時30分

なかさなさま

また数年後にとも思ったのですが、今回はすぐに書いてしまいます(笑)
コメントしたのがきっかけで、お金を使わせてしまって、なんだか申し訳ありません。

僕も、今日、原書を地元の図書館に行って借りてきました。
半分くらい一気に読みました。ネタバレになるので感想は書かないでおきますね。
ここで、一旦中断して、続きを読むのは、心がすさんだときにと思っています(笑)


少し別の話を書いてもいいですか?
猫ちゃんが薪ストーブを眺めている写真を見ました。いい1枚ですね。
猫のことで、ちょっと長いですが。

うちでも猫を飼っていました。数年前、近所で野良猫が増えすぎて、手分けして保護して、その中の1才の子を避妊手術して引き受けました。もと野良猫のせいもあり、ごくたまに屋外にだしていました。
年末の夕暮れ時に外に出たがるので出しました。それから1時間くらいして、帰ってきて窓をノックされたのですが、レポートで手が離せず出られないでいました。2、3時間くらいしてノックも無くなって不思議に思って開けてあげると、窓の外に倒れていて死んでいました。抱いたらまだ温かかったです。ついさっきまで生きていたと思います。

まだ若い元気な子で死因はわからないんですが、もしかしたら、車にひかれて最後の力を振り絞って、帰ってきたのかもしれません。

僕のしんどい時期にいやしてくれた子かもしれません。
今思えば、どんな行動も可愛かったです。

すみません。違う話になりました。
溺愛していたわけではないですが、猫が亡くなるのは、想像以上に悲しいものでした。言葉が通じないだけに、余計に悲しく感じるのかもしれません。最後に、苦労させてごめんと言いたかったです。
そんなこともあって、今回、ふと、なかさなさまのブログを再訪したのかもしれません。

いきなり変なことを書いたのに、ここまで読んでくださってありがとうございます。
原書はもう届きましたか?

投稿: シロウ | 2013年1月 6日 (日) 22時30分

noteシロウさん

コメントありがとうございます。
何年でもお待ちしていますよ(*^m^)

本、届きました。
一気に読んでしまいたい衝動にかられつつ、
もったいないので少しずつ読んでいます。
今これを読むと、またあらためていろんなことを考えたりして、
読み終わったら感想をゆっくりブログに書きたいと思っています。

猫ちゃんのお話、ありがとうございました。
お家にたどり着いて力尽きたんですね。
ちゃんと窓をノックしてから。。
猫って、死ぬときは姿をかくすって聞きますが、
きっとどうしてもシロウさんのところに帰りたかったんですね。
愛おしいですね。残念でしたね。
ご冥福をお祈り致します。

猫を飼って、可愛くて、愛おしい気持ちが増すほどに、
いつか必ず訪れる別れの時、大切なものを失う辛さに
自分は耐えられるだろうかと怖くなります。

沼田まほかるさんの「猫鳴り」という小説を読みました。
猫の一生、特にさいごの時を迎える描き方がとてもリアルで、
読んでいて辛くて苦しくなるほどでしたが、
自分もこんな風にきちんと向かい合ってやりたいという
覚悟みたいなものが少し出来たように思います。

この子たちはいつか必ず死ぬんだ、私の前からいなくなる、
そのことをいつもしっかり考えながら、
だからこそ今を大切に一緒に暮らしていこうと思います。

投稿: なかさな | 2013年1月 8日 (火) 00時24分

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16日 土曜日夜 野球放送を探してチャンネルを回してゐたら、偶然「全長十五米の一式陸攻」と謂うナレーションが耳に飛び込んで來た。 おや!と画面に目をやると なんと零戰の映像である。 一式陸上攻撃機は もう少し大きくて全長十九米余だから 僕の聞き違えかなー。 ともかく 以降 番組に釘付けになって最後まで視た。... [続きを読む]

受信: 2006年9月18日 (月) 14時29分

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